© 2016 Yu Shibuya.

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モノローグ集穴』

39人の、心の、浮遊物。

「穴は、とてつもなく大きくなれば、いつか地平線になる」

脚本家・映画監督・舞台演出家、渋谷悠による初の戯曲集!

​本の内容:

「書かないと消えそうなもの」をテーマに

物語を綴ってきた渋谷悠による初のモノローグ集。

モノローグとは、演劇や映画などにおいて一人で喋る台詞、

いわゆる一人芝居のことである。

表題作『穴』を含む女優モノローグ19篇、

俳優モノローグ20篇、アンサンブルシーン1篇を集録。

自らの掌をカッターで傷つけ、生命線を延ばそうとする女。

元彼の葬式で遺書を朗読させられる女。

神に祈りを捧げるホームレスの女。

亡くなった母親の声の幻聴が聞こえる男。

妻に浮気を疑われ、弁解する女装趣味の男…。

登場する39人の心の内側を、

深く鋭い眼差しとユーモアを持って描き出す。

それは言わば「39人の、心の、浮遊物」

単行本(ソフトカバー)208ページ

定価:1600円+税

出版社:論創社

ISBN:978-4-8460-1757-6

2018年11月5日発売

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著者:渋谷悠

1979年、東京都八丈島生まれ。

脚本家、映画監督、舞台演出家。

第66回ベネチア国際映画祭入選。

第46回国際エミー賞ノミネート。

​演劇プロデュースユニット牧羊犬主宰。

プロフィールの詳細はこちら

モノローグは俳優の実力を丸裸にする。

隠れることも、誤魔化すこともできない。

モノローグに挑むことは俳優にとって

最高にスリリングで最高に楽しい。

私が俳優育成の場で渋谷悠氏の脚本を頻繁に活用する理由、

それは、いつも俳優の才能が開花するからだ。

彼が描き出した人物の深さと魂に導かれて。

良質な脚本は、良質な俳優を育てる。

俳優たちよ、題材はここにある!

積極的に取り組もう!自らの芸術のために。

  一般社団法人 日本アクティングコーチ協会 代表理事 tori

ダイアローグばかり書いてきた私には

モノローグ集とは盲点だった。

演劇表現がミクロから人間の有様や

世界を描くものだとすれば、

こういう方法もあるんだと

新鮮な思いで読ませてもらった。

呟きの断片が集まって

そこから世界が立ち上がってくる不思議を感じる。

  劇作家、MONO代表 土田英生

大好きなTVシリーズでひとり言の多い主人公に驚いた。

それがモノローグというもので向田邦子脚本だと知る。

あれから50年、あの驚きが蘇った。

海外で多く存在するモノローグ集が遂に日本で刊行され、

しかも面白くて為になり自由に使える。

人の為なら苦労も厭わぬ男、

渋谷悠らしい素晴らしい本の誕生だ!

  松竹エグゼクティブプロデューサー 

  (『ALWAYS三丁目の夕日』『20世紀少年』)

  奥田誠治

 
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本文「はじめに」より

 

1. モノローグとは

 

モノローグとは、演劇や映画などにおいて一人で喋る台詞のことです。

観客には見えないけれど、そこに誰かがいる設定で話すものや、第四の壁を破って観客に語りかけるものなど、対象は様々です。心の中の独り言という場合もあります。

この「モノローグ」という言葉を聞くと「プロローグ」や「エピローグ」を連想する人が多いらしく、日本ではあまり定着していないようです。検索すると定義や何かのタイトルは見つかっても、モノローグの台本は出てきません。「一人芝居」や「独白」の方が幾分馴染みがあるようです。

 

しかし英語圏ではモノローグのデータベースがいくつもあります。性別、年齢、長さ、時代、コメディなのかドラマなのか、用途に合わせて探すことが可能です。

なぜそこまで充実しているかと言うと、初心者からプロに至るまで、演技クラスやオーディションでモノローグを演じる文化があるからです。演劇や映画という芸術の発展にモノローグは必要だったのです。英語圏の俳優は、あらゆる登場人物の喜怒哀楽の表現を、モノローグを通して日々訓練しています。1人で出来るので訓練やオーディションの準備に向いているという側面もあるでしょう。

 

日本には、比較的長めの一人芝居の本はあるようですが、僕の知る限り5分~10分で起承転結する作品集は見当たりません。この本を機に、モノローグというもの自体、広まって欲しいと願っています。

 

2. この本の使い方

 

そういうわけで、自由に使ってください。

演技クラスやオーディションで使いたいという俳優さん。是非。モノローグを録画して監督・プロデューサー・芸能事務所に送りたい。どうぞ。ワークショップやオーディションのテキストとして使いたいという監督さんやプロデューサーさん。是非。俳優の実力を見たいけど本が1ページも書けていないという作演さん。どうぞ。

公演も自由な発想で組み立てて欲しいです。

この本には女優モノローグが19個、俳優モノローグが20個、そして女性が6人登場するアンサンブルシーンが1つ、合計40作品集録されています。何人か仲間を集めてやりたいモノローグを選ぶも良し。1人で何役も演じて公演にするも良し。朗読劇をやるも良し。

女優のグループがあえて俳優モノローグを演じても面白いかも知れないし、その逆だって見てみたいです。あなたにしか出来ないモノローグ公演を模索してみてください。アンサンブルシーンの『魔法』はモノローグではありません。公演をする際、ペースを変えたい時などに活用してください。

上演許可に関してはうるさいことは言いません。良かったらアフタートークなどに呼んでください。微力ながら宣伝の協力をさせて頂きます。

そして物販でこの本を売らせてください(笑)

3. テキストについて

 

中には性別に依存しないモノローグもあります。例えば『穴』は女優モノローグとして書いた作品ですが、都内のアクティングスタジオでは男性も演じています。僕の感覚では『祈り』『プレゼンテーション』『ざらざら』『点繋ぎ』辺りも性別に関係なく演じられるんじゃないかと思っています。

その他、主語をいじる程度で成立するなら、チャレンジしてみてください。

 

ト書きや指示について少々。

(間)(短い間)これらは観客に間を感じて欲しい時に使っています。登場人物が何も言えない。待っている。ぎこちない。見えない対象が長めに喋っている、などがこれに該当します。必ずしも間=長さではありません。間の感じ方は相対的で、それまでの台詞が速ければ、1秒でも間として体感できたりします。沈黙が聞こえる感じ、とでも言いましょうか。

文の頭や終わりにある三点リーダー【……】【…】も間が生じるという意味では同じなのですが、登場人物の言いづらいことや言い足りないことが流れています。従って、観客に間として認識させる必要はありません。まるで登場人物の思考が聞こえてくる感じだからです。

勿論、解釈によってはどっちでもそう変わらない箇所もあります。

 

登場人物の台詞だけでは、見えない対象の台詞が推測しにくい場合、カッコ内に簡単な内容を書きました。無くても分かりそうな場合は指定していません。モノローグによっては改行で表現しているケースもあります。つまり、行と行の間で見えない対象が何かしら喋っている、ということです。

 

基本的に、ト書きは俳優や演出家を助けるために書いたものです。読み解くヒントとしては重要視して欲しいですが、やりたいことの妨げになるようであれば無視してくださってなんら問題ありません。

 

4.  最後に

 

この本は2013年に僕が作・演出をした女優モノローグ劇『穴』に27作品追加したものです。

参考までに、その時は6人のキャストを集めて、モノローグ6個→アンサンブルシーン→モノローグ6個という構成にしました。100分行かないくらいの長さだったと記憶しています。

順番は以下の通り:『作り話』『生まれ変わる』『好き』『メリーゴーラウンド』『息子』『魚』『魔法』『穴』『インタビュー』『メデューサ』『勧誘』『うん』『祈り』

 

モノローグのいくつかには原案者がいます。出版が決まってから「僕1人では書けない色んな人の閃き・体験・想いを詰め込めないか?」と考え、論創社さんとプロジェクトマネージャー西田みゆきさんのご協力の元、原案募集をさせて頂きました。応募して下さった皆さん、ありがとうございます。採用に至った皆さん、おめでとうございます。出版という夢の1つを、こういった形で多くの人と共有出来きて嬉しく思っています。

 

ではでは、続く39人のスライス・オブ・ライフを楽しんで頂ければ幸いです。

 

渋谷悠

 
女優モノローグ・プレビュー
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俳優モノローグ・プレビュー
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